●LARPってなに?
皆さんは“LARP”というものをご存じだろうか?
ご存じないという方はぜひこの機会にご存じになっていただきたいのだが、さて“LARP”とは「Live Action Role-Playing Game」の略で、参加者自身がキャラクターになりきり、現実世界で身体を動かしながら物語を進める体験型ロールプレイングゲームのことである。
TRPG(テーブルトークRPG)を現実で、自分の身体を動かしながら行うと思っていただければ分かりやすいだろうか。
TRPGが卓上でサイコロなどを使って遊ぶのに対し、LARPは実際に衣装を身につけ、小道具を使い、他の参加者と交流しながらリアルタイムで冒険を体験するのだ。
日本だとあまり耳にすることのない遊戯ではあるが、アメリカやドイツなどでは割と盛んに行われている。特にドイツで開催されている「コンクエスト オブ ミソディア」が有名で、会場規模はなんと東京ドーム約13個分、参加人数は10,000人にも達するそうだ。
それだけの大人数が一同に集い、西洋ファンタジー世界の傭兵となって魔物と戦ったり、ゾンビの襲撃から生き延びるために戦ったり、焚火を囲んで会話を楽しんだりするわけだ。
●私は“ごっこ遊び”が好きである
さて、ではどうして私が“LARP”に強い興味や関心を寄せているのかと言えば、それは今からおよそ30年前……保育園時代にまで遡る。
当時の私は鼻水垂らしたガキンチョであった。加えて、ちょっと人見知りでもあった。人見知りなのは今もあまり変わっていないが、今より随分とコミュニケーションが下手くそであったと記憶している。
そんな私であるため、保育園でも微妙に“お友達”に恵まれなかった。なんかもう“みんなの輪”に入るのに気後れして、1人で砂場に穴を掘っているようなガキンチョであった。なお、この1人で砂場に穴を掘るという遊びは、今でも時々、無性に行いたくなる。穴を掘るのは、なかなかどうして楽しいのだ。堀った穴の底から、古いコーラの瓶とか発掘したりすると、まるでお宝でも発見したような気分になって、とても嬉しい。
閑話休題。
そんな風な人見知りな私に声をかけてくれた人がいる。通称“たーぼー”である。
もう30年も昔の記憶であるため、ちょっと曖昧ではあるが確か「にんじゃごっこするけん、一緒にやらん?」とか、そんな風な誘いであったことを今でも覚えている。
まぁ、結論から言ってしまうと、この“にんじゃごっこ”が楽しかったのだ。
設定を決めて、役を決めて、役を演じて遊ぶのが性に合っていたのだろう。私は幼少期には既に“LARP”で遊んでいたともいえる。
●大人って生きづらいよね
では、どうして齢30を超えて、いまさらながら“LARP”に関心を抱いたのかと言えば、それはもう「大人ってつまらねぇぇぇ!」という一言に尽きる。
もちろん、世の中のこととか色々と少し分かるようになったし、ゲームだったり、仕事だったり、友達と食事に行ったり、クラブに行ったり、ライブに行ったりと大人であるが故の自由さもあるし、幼年期に比べれば自由に使える資金も増えた。
とはいえしかし、しかしである。
集まれば仕事の話ばかり、1日の大部分をパソコンの前に座って、一生懸命に仕事をする毎日に、時々「つまらねぇ」と感じる瞬間が訪れるのだ。
もう何が悪いって、これは単純に“時間”という概念が悪い。何時に起きて、何時までこれをして、この仕事はいついつまでに終わらせて……私ぁ時間の奴隷か何かか? と思ったりするときもある。
時間なんて概念を、特に時計なんてものを作ったのは一体、どこのどいつであるのか。クリスチャン・ホイヘンスである。今からおよそ400年ほど前に、ホイヘンス氏が振り子時計を完成させたことにより、我々はタイムスケジュールという概念に縛られることになった。
まぁ、便利っちゃ便利なのであまり悪く言うのも申し訳ないが……。
少し話が脱線してしまったが、そんな風な「つまらねぇ」と感じる日々を過ごす中、私は“LARP”を知ったのだ。
●私は“LARP”で遊びたい
いい大人が集まって、時間も忘れて、自分の好きなキャラクターを演じて遊ぶ。
その場ではもう仕事の話とか一切しないのだ。
目の前の冒険に胸を躍らせ、仲間と共に挑む冒険者が「明日までに会議の資料を用意しなきゃ」とか考えるわけが無いのだ。
そんなわけで、私は“LARP”で遊びたい。