【推し活】バッグに愛と情熱を

「痛バッグ」というものをご存じだろうか。

昨今では“痛バ”と省略して呼ばれることも多いが、要するにアニメや漫画、ゲームなどのキャラクターやアイドルなどの缶バッヂであったり、アクリルスタンドであったり、キーホルダーであったりで飾り付けたバッグのことである。

痛バッグの“痛”とは「見ていて痛々しい」、「やりすぎで恥ずかしい」といったニュアンスのオタクスラングに由来する。そう言った意味ではネガティブな印象を抱きがちなものではあるが、現在においてはむしろ「愛情が強い」ことを現すポジティブなニュアンスで用いられることが多くなっている。時代によって言葉や単語が意味を変えるというのは多々あることでオタク用語としての“痛い”も、そういった事例の1つと言えるだろう。

●推しへの“愛”を可視化しよう

さて、今回の記事に掲載している痛バッグは友人であるR氏が作成したものだ。見てわかる通り、推しキャラクターへの愛で溢れた華やかな仕上がりとなっている。

このように痛バッグは、持ち主の好きなキャラクターやアイドルなどのグッズを飾り付けたバッグである。

昨今で言うところの「推し活」という趣味活動の一環であり、主に自分がそのキャラクターをどれだけ愛しているかの表現という「ファン活動の成果展示」的な意味合いと、自分の好きなキャラクター(推し)のグッズで所持品を飾り付けたいという「自己満足」、「自己表現」的な意味合いの2点を内包していることが多い。

もちろん、どちらか片方だけを目的としている方もいるだろうし、上記とはまた異なる観点から痛バッグを制作、所持しているケースもあるものと思われる。

なお、この痛バッグという概念自体は2000年代の初めぐらいには既に存在していたという。なるほど、そう考えれば確かに私が学生のころにも(今から14~5年ほど前か)バッグやペンケースに東方projectの缶バッヂを山ほど付けていた同級生がいた。

さらについでの話になるが、この痛バッグ……ひいては推し活という行動はSNSを起点として拡散したという経緯がある。現在ではオフィシャル(オタク的な)な場でのファッションとしてもある程度は許容されているようで、とくにここ数年では海外のオタクたちにもブームが拡大傾向にある。

●誰が為の痛バッグか

先にも記載したように、痛バッグは「ファン活動の成果展示」的な意味合いと、「自己満足」、「自己表現」的な意味合いを有する。

後者のケースでは、基本的に趣味活動の一環であるため説明は割愛するが、前者のケースにおいては、幾つかの副次的なメリットを持つのだという。

そのメリットとは、つまり「コミュニケーション」のためのツールとして機能するという点である。例えば同担……共通のキャラクターやアイドルを推している同胞……が一目で分かるのだ。同じ作品やキャラクターを推していることが分かれば、それが話しかけるキッカケとなるというわけである。

また、オタクグッズの中にはランダム性の高いものが多分に存在している。

いわゆるトレーディングな要素の強い缶バッヂやキーホルダーなどがそれであり、場合によっては販売会場やその近くで購入者同士の物々交換(トレード)が発生する場合もある。

この時に痛バッグや連れているぬいぐるみなどは「相手が求めているキャラクターは誰か」を見極めるための指標となり、「自分が求めているキャラクターは誰か」を提示するための名刺代わりとして機能することもある。

そう考えると、痛バッグというのはなかなかどうして理に叶ったアイテムであるように思われる。以前には広告代理店で仕事をしていたこともある私の感覚で言うなら「私の推しは〇〇です」と広告、宣伝しているような印象を受けた。

誰かしら見知らぬ者からのアプローチを期待するのなら、それはもう広告、宣伝しなきゃまったくお話にならないわけで……痛バッグとはつまり、「自身の存在を主張する」ためのポスターであり、名刺でもあるのだろう。

 

●注意すべきこと

さて、ここまで痛バッグについて語ってきたわけだが、最後に幾つか注意すべきことがある。

  • 人混みで周囲にぶつけない
  • 過度に大きすぎる装飾は控える
  • イベントごとのルールを守る

大きく分けて上の3点には細心の注意を払ってほしい。

痛バッグは“見せる文化”である。そして“見せる文化”だからこその周辺配慮というものがあるのだとご理解いただければ幸いである。

特にライブの会場や、遊園地などのテーマパークに持ち込む際には細心の注意が必要となる。他者や設備にぶつけないよう気をつけることはもちろん、痛バッグを所持しているその人自身の振る舞いにも気を付けなければならない。

万が一、マナーに反した行動をとってしまった場合などに、所有者個人のみならず作品全体のイメージを大きく落としてしまいかねない。

場合によっては、持ち歩きたい気持ちを堪えて家に置いていく、という選択も視野に入るだろうか。

推し活に限った話ではないが、趣味を楽しむ際にはマナーを守って、自分も他人も皆が楽しめることが何より重要であるだろう。

以上、痛バッグについての説明であった。

この記事は諸事情により執筆の必要に迫られて用意したものだが、なかなか良い内容になったのではないだろうか。

もし余裕があれば、いずれ実際に痛バッグを制作し、その様子を記事としてみたい。


©映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」製作委員会

IDOLiSH7™& ©Bandai Namco Entertainment Inc. / ©Bandai Namco Music Live Inc.

©峰倉かずや/一迅社

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ライター:病み月

福岡在住のライター、シナリオライター。

Categories

Search